AMDのハイエンドデスクトップ向けチップセット「AMD TRX40」についてご紹介いたします。
第3世代Ryzen Threadripper向けの高機能チップセット
AMD TRX40チップセットは、第3世代Ryzen Threadripperと同CPUをサポートする新CPUソケット「Socket sTRX4」向けに用意された、AMDの新たなハイエンドデスクトップ(HEDT)向けチップセットです。
新CPUへの対応以外でAMD TRX40チップセットの特筆すべき特徴は、「PCI Express 4.0のサポート」と「CPUとチップセット間接続の高速化」です。
PCI Express 4.0は、第3世代Ryzenで初めて採用されたPCI Expressの最新規格で、1レーンあたりの帯域幅は16Gbps(2GB/s)と、従来のPCI Express 3.0(8Gbps)の2倍の速度を実現しています。
AMD TRX40チップセットはこのPCI Express 4.0に正式対応しており、チップセット単体で最大24レーンのPCI Express 4.0を備えています。このうち、汎用的なPCI Express 4.0として利用できるのは最大16レーンで、うち8レーン分はSATA 6Gbpsと排他利用となっており、実際に何レーンのPCIe 4.0が利用できるのかはマザーボードの設計次第です。
チップセットが備える24レーンのうち、汎用的に利用できない8レーンのPCI Express 4.0は、CPUとの接続に利用されています。これにより、TRX40チップセットとCPU間の帯域幅は16GB/sに達しており、これは、PCIe 3.0 x4接続(4GB/s)であったAMD X399の4倍に達しています。
最新のPCI Express 4.0の採用と、CPU~チップセット間接続の高速化により、AMD TRX40チップセットは多数のPCIeデバイスを同時かつ高速に利用できます。HEDT向けの第3世代Ryzen Threadripperに相応しい高機能なチップセットであると言えるでしょう。