パーツの選び方

2019-20年・冬シーズンのCPU選び ~ ハイエンド編 ~

 2019~20年冬シーズンのCPU製品ラインナップを「価格重視」「パフォーマンス」「ハイエンド」の3つに分類し、目的別に注目のモデルを紹介しています。今回は「ハイエンド」で選びたいCPUのご紹介です。

強力なメニーコアCPUがラインナップされた「ハイエンド」クラス

 今回は、IntelとAMDがそれぞれラインナップしているCPUブランドの中でも、高価で高性能な「ハイエンド」クラスの製品から、用途別のおすすめCPUをご紹介します。

CPUブランドと位置付け

 ハイエンドクラスの製品として分類したCPUは、Intel製品8モデル、AMD製品4モデルです。各CPUの一覧は以下のリストをご確認ください。

AMDハイエンド
Intelハイエンド

コストパフォーマンス抜群のメインストリーム最上位「Ryzen 9」

 ハイエンドクラス製品の中でも、際立ってコストパフォーマンスに優れているのがAMDのRyzen 9です。

 メインストリーム向けのSocket AM4向け製品でありながら、12コアと16コアのメニーコアCPUを擁するRyzen 9は、価格に対して強力なマルチスレッド性能を備え、メインストリームらしく発熱や消費電力面でも扱いやすい製品となっています。

 32GBメモリモジュールの登場で最大128GBの大容量メモリが搭載可能となり、また先進的なPCIe 4.0を備えている点もRyzen 9の強力な武器となっており、ハイエンドCPUの検討は、まずはこのCPUで不足なのかを検討するところから始めるべきであるとさえ言えます。

3DCGレンダリングや同時エンコードで強力な性能を発揮するRyzen Threadripper

 クリエイティブな用途の中でも特にCPUパワーを必要とするCGレンダリングなどでは、24コアや32コアCPUが用意されたRyzen Threadripperが優れたパフォーマンスを発揮します。

 現行の第3世代Ryzen Threadripperは、洗練された設計の採用によりメモリアクセスの不均衡などが解消されたこともあり、多くの処理で高いパフォーマンスを発揮できるようになっています。また、豊富なCPU内蔵PCIe 4.0レーンを活かして、複数のNVMe SSDを用いた強力なストレージを構成できるのも強みです。

 同じような特徴をもったIntelのCore Xシリーズは、CPU内蔵PCIeがGen 3.0止まりであるなどの不利はあるものの、より安い価格や先進的なAVX512命令のサポートなどの要素もあり、最上位のCore i9-10980XEは相対的なコストパフォーマンスに魅力のある製品となっています。

最高のゲーミング用CPUはメインストリームのCore i9-9900KS

 ゲーミング用途については、Core XやRyzen Threadripperがあまり得意とはしない分野です。純粋なゲーミング用途で最高のパフォーマンスを発揮するのはCore i9-9900KSであり、それ以上のCPUでもゲームでのパフォーマンスは同等以下にとどまります。

 ただ、高解像度や描画品質重視でゲームをプレイするのであれば、豊富なPCIeレーン数を備えるCore XやRyzen Threadripperは、マルチGPU構成と高性能なSSDを同時に利用できるメリットがあります。

 ゲーミング用としてベストを追求するならCore i9-9900KSをおすすめしますが、ゲームも遊べるクリエイティブ用PCなどというコンセプトであれば、Core XやRyzen Threadripperをベースに用いるのも良いでしょう。

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