本日は、最新のPCケースを選ぶ際、ケースのスペック表でチェックしておきたいポイントをご紹介します。
対応規格や対応サイズをチェック
PCケース選びで重要なのは、組み込みたいパーツを全て収容できるケースを選択することです。
当たり前のことのように思えますが、PCケース本体のサイズや仕様によって組み込めないパーツは少なくありません。ケースのスペックをしっかり確認して、使いたいパーツを組み込めるケースを選ぶか、使いたいケースに組み込めるパーツを選ばなければなりません。
PCケースのスペックを確認すると、組み込み可能なパーツのフォームファクター(規格)や大きさについての数値が記載されています。
▼マザーボード
主にATXやmicroATX、Mini-ITXなどのフォームファクターで記載されています。ケースがサポートしていないフォームファクターのマザーボードは原則使用できません。また、ケースによっては「横幅」などの基板サイズが制限されている場合もあります。
▼グラフィックカード
グラフィックカードは搭載可能な最大の「長さ」が規定されています。ハイエンドGPUを搭載したカードは長大な製品が多く、タワー型ケースであっても組み込めない場合がありますので、ケース側の対応グラフィックカードの最大長をよく確認しましょう。
▼CPUクーラー(空冷)
「CPU Cooler Max Higher」などという形で、組み込み可能なCPUクーラーの「最大高さ」が指定されています。これを超えると、ケースのシャーシや側面パネルと干渉が発生して組み込めないため、CPUクーラーの全高を指定値以下に抑える必要があります。
▼ケースファン・水冷ラジエーター
ケースファンや水冷ラジエーターは、搭載可能な箇所(フロント/リア/トップなど)とサイズ、個数などがケースのスペックに記載されています。水冷CPUクーラーを使用する場合や、別売りの冷却ファンを搭載するのであれば、ケースのどこにどんなサイズのファンやラジエーターが搭載できるのかを確認しましょう。
▼電源ユニット(PSU)
電源ユニット(PSU)は、ATXやSFXと言った「フォームファクター」と、電源ユニットの「長さ」を記載している製品が多くあります。原則として、まず電源とケースの「フォームファクター」を一致させる必要があり、その上で搭載可能な「長さ」よりも短い電源ユニットを選ぶ必要があります。
フロントパネルインターフェイスの接続端子を把握しましょう
ほとんどのPCケースは、利便性のためにケースの正面側にUSBポートなどのインターフェイスを備えており、これらをフロントパネルインターフェイスと呼びます。
フロントパネルインターフェイスはマザーボードの内蔵ヘッダーに接続することで利用可能となるもので、当然ながらマザーボード側に対応するインターフェイスが存在しないと利用することはできません。
最近のケースで注意が必要なのが、USB 3.1 Gen2対応のUSB Type-Cポートを備えているケースです。多くの場合、これを利用するためにはUSB Type-C対応コネクタが必要ですが、最新世代のマザーボードでもこのコネクタを備えていないマザーボードは少なからず存在します。
各機能の排他利用に要注意。万全を期するならPCケースのマニュアルをチェック
PCケースのスペック表から読み取れるポイントについておおまかに紹介しましたが、スペック表からだけでは分からないことが多いのが、同時に使えない機能や組み合わせです。
例えば、ケースのスペック上で最大数のHDDやSSDを搭載すると、搭載できるラジエーターやグラフィックカードのサイズが制限されたり、冷却ファンやラジエーターを搭載すると電源ユニットの最大長が短くなることがあります。
こうした組み合わせによって制限が厳しくなったり、両立し得ない組み合わせが存在する場合、丁寧なスペック表であればその旨が記載されていますが、特に表記していないケースメーカーも少なくありません。
これらの問題を事前に知る手段としては、ケースのマニュアルを確認することです。ケースメーカーはPDF形式などでマニュアルを用意していることがあり、マニュアルには使用手順の過程などにスペック表よりも多くの情報を記載されています。可能な限り、購入前にメーカーサイトでマニュアルをダウンロードして確認しておくことをお勧めします。