自作PCの知識

自宅PCをアップグレードしよう ~ メモリ増設編

 テレワークの機会が増え、自宅で使用するPCのパフォーマンスに不満を感じている方もいらっしゃるのではないかと思います。そこで、PCアップグレードの手がかりとなる情報を紹介します。今回はメモリの増設についての紹介です。

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PCの大幅な速度低下を招くメモリ容量不足

 PCのメインメモリは、CPUが直接アクセスできる外部メモリで、この容量が不足した場合はシステムストレージなどの仮想メモリを利用することになるのですが、高速なNVMe SSDであってもメインメモリの速度と比べれば遥かに遅いため、極端な速度低下が起こってしまいます。

 このため、PCを快適に使うためには、メモリ容量は「不足しない容量」を確保することが重要です。用途別のおすすめメモリ容量については以下の記事で紹介しております。

 用途別のおすすめメモリ容量のご紹介
 https://blog.ocworks.com/archives/52054099/

 PCが使用しているメモリ容量はタスクマネージャーなどで確認できます。メモリ使用量が8割を超えているようであれば、メモリの増設を検討されることをおすすめします。

メモリ規格などの確認

 メモリには複数の規格が存在しており、メモリの増設に際しては、まずお使いのPCでどのメモリが使用できるのか、マニュアルや製品情報で確認する必要があります。主要どころでは以下のような規格があります。

 ・メモリ規格 …… 「DDR4」や「DDR3」など
 ・フォームファクター …… 「DIMM」や「SO-DIMM」など
 ・メモリ速度 …… 「DDR4-2400 (PC4-19200)」や「DDR4-3200 (PC4-25600)」など
 ・最大メモリ搭載容量(および1枚の最大容量)

 メモリ規格はその名の通りメモリ技術の規格で、DDR4やDDR3といった異なる規格の間に互換性はありません。フォームファクターはメモリモジュールの形状で、これが違うと形状が異なるため、やはり互換性はありません。従って、メモリ規格とフォームファクターは必ずお使いのPCに合致するものを選ぶ必要があります。

 メモリ速度はDDR4-2400やPC4-19200と表記されているもので、基本的にはPC側の仕様と合致するメモリを選ぶのが無難です。メモリ側の仕様がPC側より低速である場合、メモリ仕様に応じた速度で動作する場合が多く、逆に高速である場合はPC側の仕様に合わせて低速動作となる場合があります。

 最大メモリ搭載容量はPCが正常に利用できるメモリの最大容量です。これを超えるメモリ容量は、規格などが合致していても正常に認識されない場合がありますので、最大メモリ容量の範囲内で増設することをおすすめします。
 また最大メモリ容量32GBでメモリスロット4本の場合、8GBモジュールを4枚というメモリ構成となります。この仕様のPCは1枚の容量が16GBメモリは使用できないと考えられます。特に古い仕様のPCの場合、1枚あたりの容量についても注意が必要です。

増設用メモリを購入する前にPCを分解して増設手順を確認

 先に紹介した通り、メモリを増設する際はPC側の対応メモリをマニュアルや製品情報から確認することになりますが、実際に購入する前にPCを分解し、メモリの状態や増設の手順を確認することをおすすめします。

 これは、メモリ増設時の作業手順を確認するだけでなく、想定通りのメモリ増設が本当に可能なのかをチェックする意味があります。ノートPCなどではメモリの増設が不可能な機種や、利用可能なメモリスロットの本数が少ない場合もありますし、分解自体が困難で増設作業が難しい機種もあります。

 手間はかかりますが、メモリを増設するとなれば分解作業は不可避です。メモリ購入後になって増設が不可能だったとならないよう、メモリ購入前の分解確認で作業手順を確認しておきましょう。

 PCの仕様がよくわからず、どのメモリを購入すればいいかわからない場合は、当店の「メモリコンシェルジュ」にご相談ください。
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