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X570チップセットとB550チップセットの選び方

 今回はSocket AM4向けチップセットである「AMD X570」と「AMD B550」の違いと、選択の際に重要となるポイントをご紹介します。

 X570とB550は、いずれも第3世代RyzenでサポートされたPCI Express 4.0に対応したSocket AM4向けチップセットです。各チップセットの機能を比較したものが以下の表です。

B550vsX570

対応CPUの違い ~ B550は第3世代Ryzen以降のCPUにのみ対応

 X570とB550はSocket AM4向けのチップセットですが、X570が第2~3世代のRyzenおよびRyzen APUをサポートしているのに対し、B550は第3世代Ryzenのみのサポートとなっています。従って、第2世代RyzenやRyzen APUを利用するのであれば、B550は利用できないということになります。

 実際のところ、B550搭載マザーボードであっても第2世代以前のRyzenが利用できるという事例もあるようですが、AMDとマザーボードメーカーが公式には非対応としている以上、利用に際して生じた不具合はサポート対象外となるので注意しましょう。

 なお、B550がサポートするCPUは現時点で第3世代Ryzenのみですが、次世代CPUである「Zen 3」への対応が明言されており、今後登場する次世代CPUが利用できる予定となっています。

利用できるPCI Expressのレーン数と世代

 B550とX570はPCI Express 4.0に対応したチップセットですが、B550で利用できるのはCPU内蔵のPCI Express 4.0のみで、チップセット内蔵のPCI Expressは3.0世代となっています。

 このため、チップセット接続のM.2スロットや拡張スロットはPCI Express 3.0しか利用できず、チップセット内蔵PCI Expressが4.0世代のX570に比べ、利用できるPCI Express 4.0レーン数は少なくなっています。

オーバークロックやCPU内蔵PCI Expressの分割はどちらも可能

 B550とX570は、どちらもオーバークロックとCPU内蔵PCI Expressレーンの分割に対応しています。

 AMDのSocket AM4向けチップセットは、最廉価のAMD A320を除きCPUやメモリのオーバークロックに対応していますが、CPU内蔵PCI Expressレーンの分割は、ハイエンド向けである「X系チップセット」限定の機能でした。B550はこの前例を覆した初のSocket AM4向けチップセットです。

 CPU内蔵PCI Expressの分割に対応しているため、B550やX570を搭載する一部のマザーボードは、PCIe x8+x8接続が必須なNVIDIA SLIに対応しています。

機能で優位なX570、より低コストで設計の新しいB550

 基本的に、チップセットの機能としてはX570チップセットの方が上位であり、PCI Express 4.0対応SSDを複数使いたい方や、多機能なマザーボードを利用したい方にはX570チップセット搭載マザーボードがおすすめです。

 一方、B550チップセットは機能こそ劣るものの、第3世代Ryzenの登場から約1年を経てリリースされた関係で、B550搭載マザーボードは現在のトレンドを取り入れた最新設計を採用しています。具体的には、Wi-Fi 6や、2.5GbEのような新機能をオンボード搭載した製品が数多く登場しています。

 また、X570搭載マザーボードに比べ、B550搭載マザーボードは多少安価であり、同価格帯であれば1グレード上の設計を採用したマザーボードが選べます。搭載機能や拡張性、冷却ファンの有無など、製品仕様を注意深く確認した上で、自分にとって必要な機能が揃っているのであればB550搭載マザーボードを選択してみても良いでしょう。

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