キーボードはPCの入力装置の中でもマウスと並ぶ重要な機器で、様々なメーカーから多種多様な製品がリリースされています。今回は、キーボード選びで注目したいポイントをご紹介します。
落とし穴も多い「キー配列」
キーボードのキー配列にはいくつかの規格が存在しており、市販のキーボードもいずれかの規格に準じた配列を採用しています。特にポピュラーなものとして「日本語 108/109キーボード」などがあります。
ただし、実際に販売されているキーボードには、テンキーを省略した「テンキーレス」や、小型化のためにキーを小型化したりピッチを詰めた独自配置のもの、音量や再生/停止などのマルチメディアキーを備えたものなどがあります。
特に、独自配列のキーボードは、方向キーが他のキーと同じ列の中に配置されていたり、エンターキーなどの主要なキーの形状やサイズが違っている場合もあり、こうした配置が入力速度に影響することが多々あります。「日本語キーボード」という括りで油断せず、キー配列が自分好みになっているのか注意深くチェックするのがおすすめです。
打鍵感を左右するキースイッチ
キーボードのキースイッチは、キーボードを打った時の感覚である打鍵感を左右する要素です。
安価でポピュラーなメンブレンスイッチや、メカニカルスイッチ、静電容量無接点スイッチなど、様々な方式が存在しています。高価なメカニカルスイッチには、キーの重さやクリック音の異なる「赤軸」や「青軸」など複数の種類が存在しますし、静電容量無接点スイッチを採用したキーボードでは、キーが押されたと認識される押し込み深さ「オン位置」を調整できるものもあります。
無線と有線
キーボードをPCに接続する方式として、ケーブルで直結する「有線方式」と、Bluetoothや無線で接続する「無線方式」があります。
有線キーボードは電波状況に左右されず安定した通信ができますが、ケーブルが断線するリスクや、ケーブルの届く範囲でしか使えず、ケーブル自体が邪魔になるデメリットがあります。
一方、無線キーボードはケーブルが不要であるため、電波の届く範囲内であれば場所を問わず利用でき、ケーブルの扱いに苦労することもありませんが、電波状況によってはキーボードとPCの接続が不安定になる場合があり、キーボードの動作には乾電池やバッテリーの充電が必要となります。
ゲーミング向けの機能やユーティリティ
ゲーマー向けに設計されたゲーミングキーボードは、複数キーの同時推しに対応する「Nキーロールオーバー」や、マクロ機能やキー配列をカスタマイズできるユーティリティソフトが提供されているものがあります。
こうした機能はゲーマーにとって便利なだけでなく、ショートカットキーなどを多用するクリエイティブシーンでも活用できるものですので、メーカー提供のユーティリティの有無をチェックしてみると良いでしょう。
自分が使いやすいキーボードを見つけることこそが重要
一口にキーボードといっても、機能や特性は多種多様です。実機サンプルを展示している店舗で打鍵感やフィーリングを確かめてから購入するのが理想ですが、それが難しい状況の場合は、ネット上の動画などで打鍵音などをチェックしてみるのも良いでしょう。
なお、キーボードは一台のPCに複数接続することもできます。有線キーボードに加えて遠隔操作用の無線キーボードを利用したり、ゲームと文字入力用のキーボードを使い分けるといったことも可能ですので、理想のキーボードを求めて様々なキーボードを試してみてはいかがでしょう。