マウスは、デスクトップPCにおけるもっとも一般的なポインティングデバイスであり、多くのメーカーから多様な製品が販売されています。今回は、そんなマウスを購入する際に意識しておきたいポイントについて紹介いたします。
ボタンやホイールの数とユーティリティ
Windows PC向けのマウスには、基本機能として「左クリック」と「右クリック」用に2つのボタンが装備されています。現在では、これに追加のボタンやスクロールホイールなどを備えた製品が販売されています。
追加のボタンには、固定で「進む/戻る」といった機能が与えられているものもあれば、ユーザー自身の手で機能を割り当てることのできる製品もあり、マウスの使い勝手を大きく左右する要素の一つとなっています。
また、マウスを製造するメーカーは、独自のユーティリティツールを用意している場合があり、これを用いることでマウスのボタンに対して、様々な機能やマクロを割り当てることができるものもあります。
追加のボタンは多ければ多いほど良いというものでもありませんが、「進む/戻る」に代表されるような、よく使う操作や機能をマウスに割り当てられるのは大変便利です。ショートカットキーや特定の操作を多用するような方は、マウスのボタン数とユーティリティツールに注目してみると良いでしょう。
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センサー方式と解像度
ポインティングデバイスであるマウスは、本体底面に配置したセンサーによってマウスの移動を検知し、それを画面上のポインターの移動として反映します。マウスの心臓部とも言えるセンサーには、光学式やレーザー式といった種類が存在します。
光学式とレーザー式で異なる点は、センサーがマウスの動きを読み取り可能な素材の違いで、光沢のある金属やガラスの上での読み取り性能に難がある光学式に対し、レーザー式はそれらの素材上でもマウスの動きある程度は検出できます。
一方、それとは別にセンサーの性能を左右する要素として解像度があります。これは「分解能」や「カウント」などと呼ばれることもあるもので、単位には主に「dpi」が用いられます。このdpi値が大きなセンサーは、マウスの移動距離に対して、動かせるポインターの距離が大きくなるため、小さな操作でポインターを大きく動かすことができます。
実際の利用シーンにおいて、それほど高解像度なセンサーが必要なシーンは多くありませんが、4Kディスプレイのように広大なデスクトップ空間でポインターを移動させる場合や、ゲームを操作するシーンでは、高解像度なセンサーが役立つこともあります。
無線と有線
PCとマウスの接続には、ケーブルで直接つなぐ「有線方式」と、Bluetoothや無線で接続する「無線方式」の2通りがあります。
有線方式は、周囲の電波状況に左右されずに安定した通信が可能で、マウスの動作に必要な電力をケーブルから供給されるためバッテリーの充電や交換も不要です。ただし、ポインティングデバイスであるマウスを操作するさい、ケーブルが可動範囲を限定したり、操作時に手にケーブルが触れるといった形で邪魔になりがちです。
一方、無線方式の場合、接続方法にもよりますが周囲の電波状況に影響されて通信が不安定になる可能性や、マウスを動作させるための電力を供給するためのバッテリーが必要となるものの、ケーブルの制約を受けずにマウスを操作することができます。
形状とボタン配置
マウスは手に触れて操作するデバイスですので、快適性はマウスの形状とボタン配置に大きく影響されます。いかに高性能なセンサーや多数のボタンを備えていても、手に馴染まないマウスの利用はストレスにつながります。
エルゴノミクス(人間工学)に基づいて、使いやすいとされる形状で設計されたマウスも登場していますが、自分に合うか合わないかは触ってみなければ分からないことも多いので、可能であれば実機を展示している店舗で触れてみることをおすすめします。
キーボード同様、自分が使いやすいことこそが重要
先日掲載したキーボードの選び方同様、マウス選びで最終的に重要なのは「自分自身が使いやすいこと」です。
これは、ベンチマークテストなどで性能が可視化しやすいPCパーツとは異なり、ユーザーであるご自身の感覚が問われる部分ですので、繰り返しにはなりますが、可能な限り実機に触れて選ぶことをおすすめします。
また、キーボード同様、マウスも同じPCに複数台接続して使用することができます。アプリケーションによってマウスにあると便利な機能も違ってきますので、全ての用途を1台のマウスでこなすことにこだわらず、用途に応じてマウスを使い分けるという発想で選んでみるのもよいでしょう。