11月6日に発売されたZen 3アーキテクチャを採用する「Ryzen 5000シリーズ」。今回は同CPU向けメモリを選ぶ際のポイントを紹介いたします。
Zen 3のメモリコントローラは前世代と同じ
Ryzen 5000シリーズはZen 3アーキテクチャを採用した新設計のCPUですが、メモリコントローラなどを統合しているI/Oダイ(IOD)には、第3世代Ryzenとまったく同じものを採用しています。
このため、AMD公式の対応メモリクロックも以下の通り、第3世代Ryzenと同様です。
メモリを4枚挿しすると対応メモリクロックが低くなっていますが、これはあくまで公式に対応しているとされているクロックであり、第3世代Ryzenも多くの場合、4枚挿しでのDDR4-3200動作が可能でした。
メモリが正常に動作しなかった際、「Ryzenではランク数やメモリ枚数が増えると高クロック動作が難しくなる傾向がある」という知識が役立つこともあるでしょう。
メモリクロックと、Infinity Fabric/メモリコントローラの同期動作
Ryzen 5000シリーズでも第3世代Ryzenと同じように、メモリのクロック周波数(MCLK)とInfinity Fabric(FCLK)およびメモリコントローラ(UCLK)のクロックが連動しています。
特に設定しない場合、DDR4-3600までは各ユニットが同じクロックで動作する同期モードが適用され、それ以上の高クロックメモリを使用した場合、FCLKは最大2000MHz(DDR4-4000相当)まで上昇し、UCLKはMCLKの半分のクロックで動作します。手動で設定を行えば、DDR4-3600以上でも同期モードを適用できますが、安定して動作するかどうかはCPUのFCLKやUCLK耐性に依存します。
UCLKやFCLKが高い方がCPUの性能も向上しますので、Ryzen 5000シリーズでも高クロックメモリを使うメリットは健在です。ただし、前述の公式対応メモリクロックを超えるメモリの利用は、安定動作が得られないリスクもあります。
第3世代Ryzen対応メモリの選択がおすすめ
以上を踏まえると、Ryzen 5000シリーズ向けにメモリを選ぶ際のポイントは、前世代である第3世代Ryzenとほぼ同様であると言えます。
Ryzen 5000シリーズ向けとされるメモリモジュールが販売されるまでの間は、公式の対応メモリクロックに準拠したJEDECスタンダードメモリか、第3世代Ryzen対応とされているオーバークロックメモリを選択するのが、確実に安定して動作する選び方であると言えるでしょう。