SSDの高性能化が進む傍らで、HDDの容量単価もより安くなっており、現在では6TBの大容量HDDが1万円以下で購入できるようになりました。今回は、より安く購入できるようになったHDDの利用方法を考えてみましょう。
データ保管庫やバックアップに適した大容量HDD
SSDと並ぶPC向けストレージデバイスであるHDDですが、高性能化と大容量化の進んだSSDの台頭によって、HDDを積極的に選ぶべき用途は減少し続けてきました。
しかしながら、現在でもSSDとHDDの容量単価には数倍の差があり、HDDの方がはるかに安く大容量を実現できます。この容量単価の安さはHDDの強みであり、アクセスする機会の少ない写真や動画といった大容量ファイルの保管や、SSDに記録されたシステムやデータのバックアップ用途などに適しています。
必ずしも内蔵しなければならない訳ではない「内蔵HDD」
一般的に、自作PC向けのHDDと言えば、インターフェイスにSATAを採用する「内蔵HDD」です。PCケースに搭載し、PC内部の配線によって電力供給やデータアクセスを行うことを前提に設計されている内蔵HDDですが、必ずしも内蔵しなければ使えない訳ではありません。
例えば、内蔵HDDを外付けケースに収めれば、PCに内蔵しなくてもUSB接続の外付けHDDとして利用できますし、内蔵HDDをそのまま差し込んで外付けできるクレードルタイプの外付けユニットも存在しています。
NASやRAIDでの利用にはご注意
近年、ホームネットワーク上でNASを利用される方も増えています。複数のPCでデータを共有できるNASでの利用は、大容量HDDのメリットが大きい用途です。
ただし、常時稼働が前提となることが多く、RAIDを構築して冗長性を確保することも多いNASでHDDを利用する場合、容量単価の安いHDDの利用に注意が必要です。
現代のHDDは用途に合わせた設計が行われており、容量単価が特に安いHDDの多くは「デスクトップ向け」として、1日8時間程度の稼働を想定して設計された製品です。こうしたHDDを24時間連続稼働させたり、RAIDの構成ディスクとして利用した場合、想定よりも早く摩耗して製品寿命が短くなる可能性があります。
NAS向けには、24時間連続稼働やRAIDでの利用を前提に設計されたNAS用HDDが販売されています。その価格はデスクトップ向けより割高ですが、信頼性や耐久性が求められるNAS用途には、専用設計のHDDをお勧めします。