Intelは5月末に、デスクトップ向けの新CPU「Core i9-11900KB」を発表しました。末尾に「B」が付与されたこのCPUはどのような製品なのか紹介します。
デスクトップ向けなのにLGA1200非対応のCore i9-11900KB
Intelがデスクトップ向けの新CPUとして発表したCore i9-11900KBは、型番からするとデスクトップ向け第11世代Core(Rocket Lake-S)のバリエーションのように思えますが、こちらはモバイル向け第11世代Coreに採用されているTiger Lake-HがベースのCPUであり、対応ソケットもLGA1200ではなくBGAタイプの「FCBGA1787」となっています。
型番末尾に付与された「B」は、デスクトップ向けながらBGAソケットを採用した組み込み向けCPUであることを示すものであり、高性能ゲーミングノートや、NUCなどに組み込まれた状態で販売される製品となります。通常のLGA1200版CPUと1文字しか違わないため、ちょっとわかりにくい型番といえます。
▼Intel Core i9-11900KB Processor
https://ark.intel.com/content/www/jp/ja/ark/products/215570/intel-core-i9-11900kb-processor-24m-cache-up-to-4-90-ghz.html
あらためて、Core i9-11900KBについて紹介すると、10nmプロセスで製造されたTiger Lake-Hを採用する8コア16スレッドCPUで、TDPは65W。ベースクロックは3.3GHzで、Turbo Boostの最大クロックは4.9GHz、Thermal Verocity Boost時の最大クロックは5.3GHzとなっています。
Core i9-11900KBにはXeアーキテクチャを採用したGPUコアが統合されていますが、実行ユニット数は32基と少なめで、GPU名もIrisではなく「UHD Graphics」とされています。
14nmプロセスで製造されるRocket Lake-Sとは異なり、最新の製造プロセスとアーキテクチャを組み合わせたTiger Lake-Hがベースなので、より電力効率に優れたCPUとなっています。
これがLGA1200で利用できないのは残念ですが、NUC 9 Proのようなビデオカードが利用できるベアボーンキットに採用されれば、自作PCでは難しい高性能かつコンパクトなゲーミングPCの構築が可能となるでしょう。