Alder Lakeこと第12世代Intel Coreプロセッサーは、新規格のメモリ「DDR5」に対応したことが注目されていますが、従来のDDR4メモリも利用することができます。今回は、Alder Lakeではどのようなメモリを選ぶべきなのか紹介いたします。
使えるメモリ規格が決まるのはマザーボードの仕様
冒頭で紹介した通り、Alder Lakeが備えるメモリコントローラはDDR5とDDR4の両方に対応しています。だからと言って、両方のメモリを自由に使うことができるという訳ではありません。
DDR5とDDR4のメモリモジュールには互換性がなく、電気的にも物理的にもメモリスロットの形状が異なります。このため、CPU自体が両方の規格に対応していても、マザーボードが搭載しているメモリスロットが対応する規格のメモリモジュールしか利用できません。
このため、Alder Lake環境でマザーボードを選ぶ際は、どちらの規格のメモリを使うのか十分に検討する必要があります。
▲DDR5とDDR4のメモリスロットは物理的に互換性はない(画像はASUS ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI)
将来的にパフォーマンスを追求するならDDR5、価格と容量を重視するならDDR4
Alder Lakeのメモリコントローラがサポートする最大メモリクロックは、DDR5メモリの場合はDDR5-4800で、DDR4メモリの場合はDDR4-3200です。クロック的にはDDR5の方が高くなっていますが、JEDECスペックではタイミングがCL40とルーズなため、まだDDR5のパフォーマンスを活かすには至っていない部分もあります。ですが、オーバークロックメモリや低レイテンシー製品が登場すれば、より高いパフォーマンスを得ることができるでしょう。
一方、新規格であるDDR5メモリは現在容量単価が高いため、DDR4メモリの方がより安価に大容量のメモリを利用できます。既にDDR4メモリをお持ちであれば、それを流用することでAlder Lake環境の導入コストを抑えることも可能です。
ただ、前述の通り利用できるメモリ規格はマザーボードの仕様によって制限されます。上位グレードのマザーボードはパフォーマンスを優先してDDR5を採用しているものが多く、DDR4を利用しようとするとミドルレンジ以下のマザーボードしか選択肢が無いメーカーもあります。
Alder Lake環境において、マザーボードのグレードとメモリ規格は不可分です。発売直後でDDR5の入手性も悪くなっています。価格や入手性と相談しながら、自分の要求を満たせるマザーボードとメモリの組み合わせをご検討ください。