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PCI Express各世代のデータ転送速度まとめ

 PCI Express(PCIe)は、その汎用性の高さから広く普及しているバスインターフェイスです。PCIe 1.1が登場して以来、PCIeは互換性を保ちながら世代を重ねて高速化を続け、Intelの第12世代Coreは最新のPCIe 5.0に対応しました。

 今回はそんなPCI Expressのデータ転送速度を世代とレーン数毎に紹介いたします。

5世代で約16倍も高速化したPCI Express

 2022年現在、PCI Expressは第5世代となるPCIe 5.0対応製品が登場しています。

 PCIe 5.0は1レーンで32Gbps(片方向)の帯域幅を実現しており、これは約3.94GB/sのデータ転送速度となります。初代のPCIe 1.1は1レーンの帯域幅が2.5Gbpsで、データ転送速度が0.25GB/sでしたので、5世代で約16倍も高速化したことになります。

 PCI Express各世代のデータ転送速度(片方向)をレーン数毎にまとめたものが以下の表です。PCIeを通じて接続するSSDなどの最大データ転送速度は、以下の表の速度に制限されることになります。
PCI速度

PCIe 3.0以降とPCIe 2.0以前のデータ転送速度と帯域幅の換算について

 上記の表では、データ転送速度(GB/s)を太字、帯域幅(Gbps)で表記していますが、PCIe 3.0以降とPCIe 2.0以前では帯域幅とデータ転送速度の換算式が異なっています。

 これはデータ転送のエンコード方式がPCIe 3.0以降とPCIe 2.0以前で異なるためで、PCIe 2.0以前は「8b/10b」(10bit中8bitがデータ)でしたが、PCIe 3.0以降では「128b/130b」(130bit中128bitがデータ)に変更されました。

 エンコード方式の変更によってデータ転送効率が向上したため、PCIe 3.0では帯域幅はPCIe 2.0の1.6倍となる8Gbpsでありながら、データ転送速度は約2倍の0.98GB/sを実現しています。

PCI Expressの片方向と双方向

 PCI Expressは、コントローラとデバイス間で送信と受信の経路を個別に用意する全二重通信方式を採用しており、送信と受信のいずれか片方の帯域幅/データ転送速度を「片方向」、送受信両方の帯域幅/データ転送速度を合算したものを「双方向」と呼びます。

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