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Intelのミドルレンジ向けGPU「Arc A770/A750」を改めて紹介

 IntelのミドルレンジGPU「Arc A770」と「Arc A750」を搭載したビデオカードが2022年12月に発売されました。発売から数か月が経ったIntelのメインストリーム向けGPUについて改めて紹介いたします。

DirectX 12 Ultimate対応のミドルレンジGPU

 IntelのArc A770とArc A750は、開発コードネーム「Alchemist」で開発されてきたXe-HPGアーキテクチャを採用したGPUで、リアルタイムレイトレーシング(DXR)をはじめとする新技術を導入した「DirectX 12 Ultimate」に対応しています。

 Arc A770とArc A750は、DXR演算用のRTユニットや、深層学習用のXMXなどの演算器を備えたGPUコアに加え、注目の新フォーマットである「AV1」のエンコードに対応したビデオエンジンを搭載するなど、AMDやNVIDIAの最新GPUに近いハードウェアを備えています。
A770

ドライバ更新で競争力を高めるArc Aシリーズ

 発売以来、ミドルレンジGPUであるArc A770やArc A750は4~5万円台の価格帯で販売されており、タイトル次第では近い価格帯のGeForce RTX 3060 12GBを凌ぐ性能を発揮する点や、AV1エンコード対応ビデオエンジンの存在が注目されてきました。

 一方で、発売当初はドライバの熟成不足からパフォーマンスや安定性が万全とは言えず、旧世代APIであるDirectX 9への最適化不足などが問題視されていました。しかし、これらの点についてはドライバのアップデートによって日々改良が進められており、最近のドライバでは大きなパフォーマンス改善も達成しています。

 ▼参考記事(Intel Arc)
 Unleashing IntelR Arc™ Graphics: Performance Updates, New Bundle, and Pricing
 https://game.intel.com/story/intel-arc-graphics-unleashing/

 NVIDIAとAMDの新世代GPUが展開されていないミドルレンジの価格帯において、最新の機能を備えるArc Aシリーズは価格次第では面白い選択肢となりつつあります。GeForceやRadeonより使っているユーザーが少ない分、不具合に遭遇した時の解決が難しいなどの困難もあるでしょうが、趣味として自作PCを楽しまれている方であれば、選びがいのあるGPUであると言えるでしょう。

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