AMDのSocket AM5向けチップセットに「A620」が追加されました。本日はローエンドチップセットであるA620チップセットについて紹介いたします。
Socket AM5向けローエンド・チップセット「A620」
AMD A620チップセットは、Socket AM5向けに展開されているAMD 600シリーズチップセットのひとつで、もっとも低価格で提供されているローエンドチップセットです。
ローエンドのA620では機能が削減されており、上位チップセットでサポートされているCPU内蔵PCIe 5.0やUSB 20Gbps、GPU用のPCIe x16を「x8 + x8」に分割する機能などが削減されたほか、CPUのオーバークロックについても非対応となっています。
A620チップセット搭載マザーボードはVRM性能にも要注意
A620チップセット搭載マザーボードでローエンドらしい価格を実現するために、Socket AM5では最低230Wの供給能力が求められていた電源回路(VRM)の要件が実施的に緩和されたようです。
このためA620チップセット搭載マザーボードでは、Ryzen 9 7950XなどのTDP 170Wモデルに非対応であったり、CPUの最大消費電力が230W未満に制限された製品がリリースされています。VRMのスペックを削減したマザーボードは、パフォーマンスが十分に発揮できない場合がありますので、マザーボードの製品情報やCPUサポートリストを確認してください。
チップセット機能やVRMの電力供給能力がカットされたA620チップセットですが、その分マザーボードの価格も安価に設定されています。A620搭載マザーボードの中にはTDP 120WのRyzen 7000X3Dをゲームで使う分には十分な性能を引き出せる製品も用意されています。できるだけマザーボードのコストを抑えたい方は製品情報をよく確認したうえで、ご検討いただければと思います。