今回は、冷却性能に優れた製品の多いオールインワン水冷クーラーについて、最近のトレンドを紹介します。
ビジュアル面の強化が最近のトレンド
2009年頃から本格的な普及が始まったオールインワン水冷クーラーは、簡易水冷と呼ばれることもあるメンテナンスフリータイプの水冷ユニットです。
従来のDIY水冷のように組み立てやメンテナンスの手間を省略し、手軽にCPUを水冷化できることで人気を獲得したオールインワン水冷クーラーは進化を重ね、いまでは360mm以上の大型ラジエーターを搭載した高性能な製品がCPUクーラーのハイエンドクラスを席巻しています。
PCケースの設計もオールインワン水冷の搭載を前提としたものに変化するほど普及したオールインワン水冷ですが、流石に15年も経つと冷却性能的にはかなり成熟しきった感も強く、最近ではRGB LEDによるイルミネーション機能を搭載したり、水冷ヘッドに液晶ディスプレイを埋め込み任意の画像や温度などのステータス情報を表示できる機能を持たせたり、白で統一されたカラーリングを採用したりと、ビジュアル面を強化した製品が登場するようになりました。
開口部の広いガラスパネルを採用したPCケースが流行している現在、パーツのビジュアルは購入時に考慮すべき重要な要素のひとつとなっており、冷却性能よりビジュアル面を評価してオールインワン水冷クーラーを選択するという方もおられるでしょう。
配線を簡単にする独自コネクタやデイジーチェーン
一時期、オールインワン水冷クーラーはビジュアルを強化するためRGB LEDを積極的に組み込んだ結果、冷却ファンの電源ケーブルに加えLED制御用のケーブルの配線が必要となり、ユーザーは非常に煩雑なケーブリングを強いられるものとなっていましたが、最近では配線をより簡素にするための工夫を取り入れた製品も登場しています。
一例としては、冷却ファンの電源とLED制御用のケーブルを独自に一体化したり、そのようなコネクタをデイジーチェーン接続できるようにすることで配線を簡素化したりという具合に、簡単にスマートな配線を実現できるようになりつつあります。
ビジュアルが気に入っているのであれば多少の煩雑な配線程度は我慢できるものかもしれませんが、PCの組み換えや大規模なメンテナンスのさいにも手間がかかる場合もありますから、購入前に製品マニュアルをチェックするなどして、利用するにあたってどのような配線が必要になるのか事前にチェックされることをおすすめします。