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AMDのSocket AM5向け新チップセット「AMD 800シリーズ」

 AMDはSocket AM5向けの新チップセット「AMD 800シリーズ」のリリースを予定しています。今回は、現在までに公開されているAMD 800シリーズチップセットの機能について紹介します。

上位チップセットではUSB4の実装が必須に

 AMD 800シリーズチップセットはSocket AM5向けの新チップセットで、最上位のX870E以下、X870、B850、B840の4モデルの登場が予告されています。

 現時点で公開されているチップセット毎の機能は以下の通りです。なお、これらの機能は各チップセットを搭載するマザーボードで利用可能な機能であって、チップセットが提供する機能とは限りません。

 ここで明らかにされている機能のうち、PCIeに関してはCPUが提供するPCIeレーンをどのように使えるのかというもので、X870EとX870はPCIe 5.0をGPU用とSSD用にフル活用可能で、GPU用の16レーンは8レーン×2系統に分割可能です。

 下位チップセットの場合、B850はSSD用にはPCIe 5.0が利用できるもののGPU用はPCIe 4.0が基本でPCIe 5.0はオプション対応とされており、B840はGPU用もSSD用もPCIe 3.0までのサポートでGPU用16レーンも分割不能となっています。高速なPCIeのサポートは基板の設計や実装にコストを要するため、下位チップセットではこれを制限することで低コストでマザーボードを製造できるようにしているものと考えられます。

 また、X870EとX870はUSB4の実装が必須とされており、B850はUSB 3.2 Gen 2x2(20Gbps)、B840はUSB 3.2 Gen 2(10Gbps)のサポートが求められています。最大40GbpsをサポートするUSB4は今後の普及が期待されている高速なインターフェイスで、最近は比較的安価な外付けSSDケースも登場しています。大容量ファイルを扱う機会の多い方には注目すべき機能であると言えるでしょう。

 最後の「オーバークロック」については、CPUとメモリのオーバークロックが可能であるか否かを示すもので、4モデルの中でB840だけCPUオーバークロックに非対応でメモリのみオーバークロック可能となっています。B840はかなり安価なマザーボードに搭載されるチップセットになるでしょうから、この制限は妥当なものでしょう。

新チップセット搭載マザーボードの発売時期は未定

 AMDは800シリーズチップセットを搭載したマザーボードの発売時期について明言していないため、いつ入手できるようになるのかは不明です。

 なお、AMDの新CPUであるRyzen 9000シリーズについては、既存のAMD 600シリーズチップセット搭載マザーボードで動作させることが可能なので、AMD 800シリーズチップセットの登場を待つ必要はありません。

 今年6月に開催されたCOMPUTEXの時点で、マザーボードメーカーはX870E/X870を搭載したマザーボードを展示していたことから、すでにマザーボードメーカーでは設計開発が進んでいることは間違いないと思われますが、どのようなスケジュールで発売されるのか今後の情報に注目しましょう。

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