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AMDの新チップセット「B850/B840」について

 2025年1月、AMDのSocket AM5向けの新チップセット「B850」と「B840」を搭載したマザーボードが発売されました。今回はこれら新チップセットの機能について確認してみましょう。

ミドルレンジのB850と、エントリークラスのB840

 AMDの新しいチップセットであるB850とB840は、いずれもSocket AM5向けのチップセットで、先行して発売されているX870E/X870チップセットの下位に位置する製品です。

 チップセットの主な機能は以下の通りで、上位モデルであるX870E/X870では標準機能となっていたUSB4は、B850とB840ではオプション対応となっています。

 B850はミドルレンジクラスのチップセットで、X870からUSB4を省略したうえで、CPU内蔵PCIe 5.0のサポートがNVMe SSD接続用の4レーンのみに削減されています。その結果、機能的には旧世代のB650E/B650に近いものとなっております。

 なお、B850チップセットを搭載するマザーボードにおいて、GPU接続用のPCIe x16スロットに関しては、チップセットの仕様に反してPCIe 5.0 x16対応となっているマザーボードが存在しています。ある程度マザーボードメーカー側の裁量が認められているようですので、どのような実装になっているのかは各マザーボードの仕様を確認する必要があります。

 B840はエントリークラスのチップセットで、旧世代のA620と同じくチップセット側のPCIeがGen 3(PCIe 3.0)までのサポートに留まります。

 A620がTDP 65Wモデル向けの低価格チップセットとして計画されたものであるのに対し、B840は特に低TDP向けのチップセットというわけではありません。A620より電源回路の設計が充実した製品が多い反面、B850チップセット搭載マザーボードとの価格差も小さくなっています。

改良されたSSDヒートシンクやPCIeスロットの有無も要チェック

 X870E/X870の下位に位置するチップセットとして、搭載マザーボードにはコスト面での魅力を期待したいB850とB840ですが、昨今の円安の影響で少々割高な印象は否めません。より低価格で流通しているAMD 600シリーズ・チップセット搭載マザーボードが存在していますので、コストを追求すると旧世代チップセット搭載製品の方が魅力的でしょう。

 一方で、最新世代であるB850/B840搭載マザーボードは、Ryzen 9000シリーズの利用を想定して最適化した設計を採用しているほか、一部モデルには各社がブラッシュアップを続けて着脱が容易になったM.2 SSD用ヒートシンクやPCIeスロットが導入されています。

 PCIeやM.2スロットをはじめとするスペックの確認はもちろん重要ですが、組立作業をより簡単で楽しいものにできる機能がどれだけ搭載されているのか、製品特徴ページを確認して検討されるとよいでしょう。

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