今回は、Arrow Lake-SことCore Ultra 200Sシリーズ向けの電源選びと題して、電源ユニットを新調される方向けの情報を紹介します。
電源への要求は従来モデルより軽いCore Ultra 200S
Core Ultra 200Sシリーズは、最上位のCore Ultra 9 285KのMTPが250Wとされたことに加え、前世代での不具合を踏まえてIntel Default Settingsの標準化が進んだ関係で、定格動作時のCPU最大消費電力がMTP以下に制限されるようになりました。
CPUへの負荷や最大瞬間的にMTP以上の電力を消費する可能性が無いわけではありませんが、電源ユニットの総容量に占めるCPU消費電力の割合は以前よりも計算しやすくなったと言えます。
現行のハイエンドGPUであるGeForce RTX 4090の消費電力(TGP)が450Wですので、多少の余裕を見込んでも総容量850Wの電源ユニットを選んでおけば、一般的な構成のPCを一般的な用途で使うぶんには容量不足に陥ることは無いでしょう。
電源コネクタはPCIe 16ピンの仕様に注目
Core Ultra 200S向けに発売されているZ890マザーボードの多くは、CPUへの電力供給用として「EPS12V(8ピン)×2系統」や「EPS12V(8ピン)+ATX12V(4ピン)」といった具合で2系統の電源コネクタを備えています。
これらは極端なオーバークロック動作にも対応できるように実装されているもので、1系統接続すれば問題なく動作可能なものがほとんどですが、2系統のコネクタに2本のケーブルで接続すれば電気抵抗による損失を減らすことができるので、電源ユニットが2系統のCPU電源コネクタを備えている場合には接続するのがおすすめです。
CPU用の電源コネクタは850Wクラスの電源ユニットであれば2系統備えているものがほとんどですので、マザーボードに接続するコネクタが不足する心配はほとんどありません。より注目すべきはPCIe 16ピンコネクタの仕様です。
PCIe 16ピンコネクタは12VHPWRの名でリリースされ、最新規格では12V-2x6と呼ばれているもので、電源ユニット側の12VHPWRと12V-2x6には互換性があります。
GeForce RTX 40シリーズで導入されたPCIe 16ピンは最大600Wを供給可能な新世代の電源コネクタなのですが、コネクタが供給可能な電力は150W、300W、450W、600Wの4段階から選択できる仕組みが導入されており、PCIe 16ピンコネクタが供給できる電力は電源ユニット毎に異なります。
大電力を消費するビデオカードを利用する可能性がある場合、600Wに対応したPCIe 16ピンコネクタを搭載していること、あるいは別売りのオプションで600W対応PCIe 16ピンケーブルが用意されていることを、電源ユニット選びの要件に加えることを検討しましょう。