今回は、「2024年5月版CPUの選び方」のミドルレンジ編として、IntelとAMDのミドルレンジCPUを確認してみましょう。
Zen 4世代のCPUとAPUを展開するAMD
AMDは、最新のプラットフォームであるSocket AM5において、Zen 4アーキテクチャを採用するCPU/APUのミドルレンジモデルを展開しています。
「ミドルレンジ」というの区分は曖昧なのですが、今回は中位ブランドである「Ryzen 5」を冠する製品をピックアップしてみました。
AMDでもっとも人気の高いミドルレンジ製品はRyzen 5 7600で、最新鋭のアーキテクチャを採用した6コア12スレッドCPUが3万円前後という価格で購入できるコストパフォーマンスの高さと、発熱量や消費電力的に扱いやすいTDP 65Wモデルであることが評価されています。
一方、最安は2万円台で購入できるRyzen 5 8500Gですが、APUコアベースでキャッシュ容量やPCIe機能などで劣るためか人気はいま一つなようです。
Core i5ブランドでコア構成の異なるCPUを展開するIntel
Intelは「Core i5」ブランドのCPUをミドルレンジ帯に展開しているのですが、LGA1700向けに販売されている第14世代のCore i5には、CPUコアの構成が異なるCPUが投入されています。
いずれのCPUも6基のPコアを備えている点は共通しているのですが、Eコア数が上位モデルと下位モデルで異なるほか、CPUコア当たりのL2キャッシュ容量についても上位と下位で異なっています。
Eコア数の多寡はCPUのマルチコア性能に影響することもあり、4万円前後で購入できる14コア20スレッドCPUのCore i5-14500が高い人気を獲得しています。
高フレームレート動作が求められるゲームにおいては、L2キャッシュ容量の差がフレームレートに影響する場合が多いため、Core i5-14600K/14600KFがミドルレンジCPUの中では有力な選択肢となり得るはずなのですが、実売価格が4.5万円程度と高価なことや、ハイエンド級のCPUにより強力な選択肢が存在することもあってか、いまひとつ人気を得られていないようです。
CPU自体の性能は優秀なCore i5か、将来性のSocket AM5か
ミドルレンジ帯についてはRyzen 5とCore i5の2ブランドに絞ったため製品数は少ないですが、その中でも特に人気が高いのがRyzen 5 7600とCore i5-14500です。
扱いやすい6コア12スレッドCPUであるRyzen 5 7600と、6基のPコアと8基のEコアによりシングルコアとマルチコアの両面で高い性能を発揮するCore i5-14500は、CPUベンチマークで見るとCore i5-14500の方が有利な場合が多いでしょう。
実際のところ、クリエイティブアプリやオフィスアプリなどを動作させるならCore i5-14500は魅力的な選択肢なのですが、両CPUが属するプラットフォーム同士の比較も含めると、将来的にアップグレードしやすいのはAMDのSocket AM5でしょう。将来性を考慮するか否かは、どのミドルレンジCPUを選択するのかを左右する重要な要素となるでしょう。
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