最近発売されたG.Skillの低レイテンシーメモリについて紹介します。
G.SkillはDDR5-6000のクロックで、CL26、CL28の低レイテンシーメモリを発売しました。この低レイテンシーモデルのポイントを紹介します。
メモリ同期で動作させるほうがパフォーマンスが高い
メモリクロックは基本的に高クロックなほど高いパフォーマンスとなりますが、もう一つの要因としてメモリとCPUのクロック対比の問題があります。これは実際のメモリクロック設定においては自動で対比変更が行われるため、気づきにくいポイントです。
DDR5ではメモリクロックの設定がある数値を超えると、Uncore Frequency が1/2となり「1:2モード」となります。実際の事例をみてみましょう。
●DDR5-6000設定で起動した場合
DDR5-6000設定で起動して、CPU-Zの「Memory」タブを開きます。動作モードは「DRAM Frequency」と「Uncore Frequency」の対比で確認できます。

DRAM FrequencyとUncore Frequencyが同じ「3000MHz」となっています。DDR5-6000まではこのように「1:1モード」で起動します。
●DDR5-6400設定で起動した場合

DDR5-6000からそのままメモリクロックをDDR5-6400に変更して起動すると、Uncore Frequencyが「1600MHz」となり、DRAM Frequencyの数値「3200MHz」の半分となっています。
低レイテンシーモデルのメリット
ですがUncore Frequency が半分になり「1:2モード」になると、PCのパフォーマンスは下がります。では「メモリクロックを上げても意味がないのか?」という疑問も出てきますが、メモリクロックがある程度高ければ、「1:2モード」でもパフォーマンスを得ることができます。
できれば「1:1モード」で動作させたいところです。自動設定ではその限界クロックがDDR5-6000とされています。設定を詰めればDDR5-6400程度まで動作可能ですが、強制的に「1:1モード」にする方法はまた別の機会に紹介します。
「1:1モード」で動作させることと、メモリクロックを上げるのとどちらが有利なのかは一概には言えません。ただメモリクロックを上げるにはマザーボード、CPUのメモリクロック耐性が問題となってきます。DDR5-8000メモリは対応するプラットフォームが増えたものの、やはり安定動作クロックの限界は機種により左右されます。DDR5-8000まで上げたいけど、手持ちの構成ではDDR5-6800までしか安定動作しないというケースもあります。
そこでDDR5-6000の低レイテンシーモデルの意味が出てきます。「1:1モード」で動作するDDR5-6000でレイテンシーが低くければ手軽にパフォーマンスを得ることができます。ここが低レイテンシーモデルのポイントとなります。
DDR5-6000の低レイテンシーメモリなら、CPUやマザーボードのメモリクロック耐性などを気にせずに、パフォーマンスを得ることができます。つまりCPU、マザーの機種を問わないというところが、DDR5-6000の低レイテンシーメモリがある意味最強と言える点です。
超低レイテンシーCL26モデル
現在のG.Skill製品で、最も攻めたレイテンシーのモデルはCL26です。DDR5製品としてはかなり低いレイテンシーになりますが、価格がCL28モデルの1.5倍以上するので、かなり高価です。最高パフォーマンスを目指したい方におすすめです。
●16GB×2
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2636G16GX2-TR5NS (DDR5-6000 CL26 16GB×2)
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2636G16GX2-TR5NG (DDR5-6000 CL26 16GB×2)
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2636G16GX2-TZ5NR (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2636G16GX2-TZ5NRW (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
●32GB×2
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2636G32GX2-TZ5NR (DDR5-6000 CL26 32GB×2)
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2636G32GX2-TZ5NRW (DDR5-6000 CL26 32GB×2)
低レイテンシーCL28モデル
CL28モデルは16GB×2、24GB×2、32GB×2、48GB×2から選択できます。高クロックモデルの場合、容量の選択幅が少ないのですが、DDR5-6000の低レイテンシーモデルは容量が幅広く選べます。
●16GB×2
G.Skill Flare X5 F5-6000J2836G16GX2-FX5 (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
G.Skill Flare X5 F5-6000J2836G16GX2-FX5W (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
G.Skill Ripjaws M5 Neo RGB F5-6000J2836G16GX2-RM5NRK (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
G.Skill Ripjaws M5 Neo RGB F5-6000J2836G16GX2-RM5NRW (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2836G16GX2-TR5NS (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2836G16GX2-TR5NG (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2836G16GX2-TZ5NRW (DDR5-6000 CL28 16GB×2)
●24GB×2
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2836F24GX2-TZ5NR (DDR5-6000 CL28 24GB×2)
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2836F24GX2-TZ5NRW (DDR5-6000 CL28 24GB×2)
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2836F24GX2-TR5NS (DDR5-6000 CL28 24GB×2)
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2836F24GX2-TR5NG (DDR5-6000 CL28 24GB×2)
●32GB×2
G.Skill Flare X5 F5-6000J2836G32GX2-FX5 (DDR5-6000 CL28 32GB×2)
G.Skill Flare X5 F5-6000J2836G32GX2-FX5W (DDR5-6000 CL28 32GB×2)
G.Skill Ripjaws M5 Neo RGB F5-6000J2836G32GX2-RM5NRK (DDR5-6000 CL28 32GB×2)
G.Skill Ripjaws M5 Neo RGB F5-6000J2836G32GX2-RM5NRW (DDR5-6000 CL28 32GB×2)
●48GB×2
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2836F48GX2-TZ5NR (DDR5-6000 CL28 48GB×2)
G.Skill Trident Z5 Neo RGB F5-6000J2836F48GX2-TZ5NRW (DDR5-6000 CL28 48GB×2)
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2836F48GX2-TR5NS (DDR5-6000 CL28 48GB×2)
G.Skill Trident Z5 Royal Neo F5-6000J2836F48GX2-TR5NG (DDR5-6000 CL28 48GB×2)
※今回はAMDモデルのみ紹介していますが、DDR5-6000の低レイテンシーメモリのラインナップはINTELモデルもあります。
※最初の投稿の内容で、一部DDR4のメモリ設定と混同していた部分があり、修正しました。(2025.3.10)