今回はAMDのモバイル向けプロセッサ「Ryzen AI 300 シリーズ」と「Ryzen AI Max 300 シリーズ」について紹介します。
Ryzen AI 300 シリーズ
Ryzen AI 300 シリーズは、Zen 5世代のCPUコア、RDNA 3.5世代のGPUコア、XDNA 2世代のNPUなどを統合したモバイル向けプロセッサです。
すべての機能をTSMC 4nm FinFETプロセスで製造された1つのシリコンダイ(モノリシックダイ)に統合するRyzen AI 300 シリーズでは、性能重視の「Zen 5コア」と効率重視の「Zen 5cコア」を組み合わせたハイブリッド構成のCPUコアを採用。Microsoft Copilot+ PCの要件を満たすNPUコアとの組み合わせにより、モバイル向けの省電力プロセッサながらも優れたパフォーマンスを実現しています。

Ryzen AI Max 300 シリーズ
Ryzen AI Max 300 シリーズは、先に紹介したRyzen AI 300 シリーズの高性能モデルとしてラインナップされている最上級のモバイル向けプロセッサです。
Ryzen AI 300 シリーズと同世代のCPU・GPU・NPUを備えていますが、CPUコアとその他の機能を異なるシリコンダイで実装するチップレットアーキテクチャを採用しているほか、CPUコアはすべてZen 5コアとなっています。
最大の特徴は32~40コアという極めて大規模かつ強力な内蔵GPU(iGPU)の存在で、コアの規模だけで言えばミドルレンジGPUのRadeon RX 7600 XTなどにも匹敵します。この強力なGPUに十分なメモリ帯域幅を提供すべく、LPDDR5X-8000に対応する256bitのメモリインターフェイスを備えており、最大で256GB/sのメモリ帯域幅を実現しています。

搭載PCの性能はノートPCの設計次第
AMD最新のモバイル向けプロセッサであるRyzen AI 300 シリーズとRyzen AI Max 300 シリーズは、いずれも先進的で高性能なCPU・GPU・NPUを統合しており、AIノートPCだけでなく、ゲーミングノートPC、またミニPCにも採用されています。
いずれも広いレンジのcTDPをサポートしており、ノートPCメーカーは高TDP動作で性能を追求したクリエイター向けノートPCやゲーミングノートを構築するだけでなく、省電力性や効率性を重視した低TDP動作で薄型軽量ノートを設計することもできます。
同じプロセッサを搭載していても必ず同じ性能が得られるという訳ではありませんので、Ryzen AI 300 シリーズやRyzen AI Max 300 シリーズを搭載したノートPCを選択する際は、レビューや製品情報からPCのパフォーマンスを推測することがより重要です。
このブログ記事はPCパーツショップOVERCLOCK WORKSが制作・配信しています
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