マザーボードを選ぶ際、大きな要素となるのが「チップセット」です。今回は、Intel Z170 チップセットとIntel X99 チップセットの違いについての説明と、その選び方をご紹介します。
●Intel Z170 チップセット と Intel X99 チップセットとは
Intelは一般消費者向けに、メインストリーム向けのLGA1151と、ハイエンド向けのLGA2011-v3という、2つのプラットフォームを展開しています。Intel Z170 チップセットはLGA1151、Intel X99 チップセットはLGA2011-v3をサポートするチップセットです。両プラットフォームの間に互換性はありません。
Intel Z170 チップセットがサポートするLGA1151プラットフォームは、Intel 第6世代Core プロセッサ（Skylake-S）に対応しており、廉価なPentiumプロセッサから、4コア8スレッドCPUのCore i7まで、幅広いグレードのCPUがラインナップされています。
一方、Intel X99 チップセットがサポートするLGA2011-v3プラットフォームは、Intel 第4世代ハイエンド・プロセッサ（Haswell-E）に対応。こちらは6コア12スレッド、または8コア16スレッドのIntel Core i7がラインナップされているほか、クアッドチャンネルメモリ（4ch/256bit）に対応しており、最大で8枚のメモリを搭載できます。
Intel Z170 チップセット
・プラットフォーム： LGA1151
・対応CPU： Intel 第6世代 Core プロセッサ（Skylake-S）
・対応メモリ： DDR4 または DDR3L、デュアルチャンネルメモリ（128bit）
・CPU内蔵PCIe： PCI Express 3.0、20レーン
・CPU内蔵GPU： 対応
・オーバークロック： 対応（Kモデルのみ）
Intel X99 チップセット
・プラットフォーム： LGA2011-v3
・対応CPU： Intel 第4世代 Core プロセッサ（Haswell-E）
・対応メモリ： DDR4、クアッドチャンネルメモリ（256bit）
・CPU内蔵PCIe： PCI Express 3.0、40レーン または 28レーン
・CPU内蔵GPU： なし
・オーバークロック： 対応（Kモデル、Xモデル）
●選び方のポイント
前述のとおり、LGA1151とLGA2011-v3の間には互換性がありません。Intel Z170とIntel X99、どちらのチップセットを搭載したマザーボードを選ぶのかを考えるということは、LGA1151とLGA2011、どちらのプラットフォームを選択するのかということと同じです。
メインストリーム向けであるLGA1151は、CPUやマザーボードに安価な選択肢が用意されているためトータルコストを抑えやすく、コアあたりの性能と、クロックあたりの性能に優れる、最新のSkylakeアーキテクチャ採用CPUが利用できるため、低コストPCや、ゲーム用のPCの構築に適しています。
一方、ハイエンドプラットフォームのIntel X99は、コア数の多いCPUと、最大で8枚のメモリが利用できることにより、大容量のメモリと、並列処理で高いパフォーマンスを発揮する計算処理、動画のエンコード、CGレンダリングなどに適したPCが構築できます。ただし、CPUもマザーボードも高価なので、最も安価な構成で一式揃えたとしても、LGA1151プラットフォームの上級製品をそろえた場合と同じかそれ以上の価格になってしまいます。
10万円前後のコストでPCを構築したいのであればLGA1151、予算に余裕があり、ハイパフォーマンスなPCを望む方、またPCゲームなどを楽しみたいならLGA1151でZ170を。動画やCGなどクリエイティブな用途で使うならLGA2011-v3と言った具合に選択するのがおすすめです。
コストパフォーマンスからすると、個人で趣味のために使用するPCならLGA1151、仕事で効率化、時間短縮を図りたいならLGA2011-v3という考え方もありだと思います。個人でも最高性能を求めるなら、やはりフラッグシップのLGA2011-v3になります。
■関連リンク
Intel LGA2011-v3対応マザーボード 一覧
http://www.ocworks.com/products/list.php?category_id=352
Intel LGA1151対応マザーボード 一覧
http://www.ocworks.com/products/list.php?category_id=358
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