Intelのハイエンドプラットフォームは、従来の「LGA2011-v3」から「LGA2066」へと新しいCPUソケットへ移行しました。今回は、このLGA2066向けのCPUクーラーの選び方をご紹介します。
LGA2066では、LGA2011-v3対応CPUクーラーが利用可能
新しいCPUソケットであるLGA2066は、電気的にも物理的にも従来のLGA2011-v3ソケットとは互換性がないため、以前のCPUをLGA2066で利用することはできないのですが、CPUクーラーを固定する金具部分の仕様については、LGA2011-v3の設計をそのまま引き継いでいます。
このため、LGA2066ソケットではLGA2011-v3対応CPUクーラーが利用できます。まだ登場間もないため、正式にLGA2066対応を謳うCPUクーラーはそれほど多くはありませんが、対応CPUソケットの一覧にLGA2011-v3と記載されていれば、基本的にはLGA2066で使うことができます。
たとえばLGA2011-v3対応の「Scythe 虎徹 MarkII」もLGA2066で使用できます。
水冷クーラーはVRM部分の冷却にご注意
LGA2066では、CPUソケットの両サイドにメモリスロットを配置している関係で、CPUに電源を供給する電源回路(VRM)の実装スペースがCPUソケット上側の狭いスペースしか確保できていません。
消費電力の大きなCPUを使用するLGA2066では、このVRMの発熱も大きなものとなっています。通常の空冷CPUクーラーなどであれば、CPUソケット付近にある程度エアフローが生じるため、それによってある程度VRMの冷却が出来るのですが、オールインワンタイプの水冷クーラーで、ラジエーターをケース天板以外に配置するような場合は、VRMが十分に冷却できない恐れがあります。
特に、CPUをオーバークロックして高負荷を掛けるような場合には、VRMの発熱はより一層大きくなるため、ある程度VRMを冷却しなければ危険です。水冷クーラーを使う場合は、別途ケースファンを使うなどして、CPUソケット周辺に風の流れができるようにすることをお勧めいたします。