パーツの選び方

M.2スロットを利用する際の注意点をご紹介

 今回は、高速なSSDの接続用のスロットとして普及しているM.2スロットについて、その利用にあたって注意しておくべき点についてご紹介いたします。
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●M.2スロットとデバイスの「Key ID」

 M.2スロットには異なる形状のスロットが存在しており、「Key ID」によって規格化されています。M.2対応SSD向けによく使われる「Key M」や、Wi-Fiモジュール用として採用例の多い「Key E」などが最近のマザーボードに多く採用されています。

 Key IDの異なるM.2スロットの間には物理的に互換性がないため、使いたいM.2デバイスと、マザーボードが備えているM.2スロットのKey IDが一致している必要があります。
●M.2スロットがサポートするカード長
 M.2デバイスはスロットに差し込んだあと、カード先端部をねじ止めすることで固定します。このため、多くのM.2スロットはいくつかのカード長に対応できるように「42mm/60mm/80mm」と言った具合で複数のねじ穴位置を設けています。

 搭載するM.2デバイスのカード長と同じ位置にねじ穴が設けられていないと、例えM.2スロットにカードを差し込めたとしても、それを固定することができません。特に、Mini-ITXマザーボードなどでは設置スペースの関係で搭載できるデバイスのカード長が制限されている場合があるので、マザーボードの仕様をよく確認しておく必要があります。
●対応するインターフェイスと排他仕様に注意
 M.2スロットの中でも、SSDの接続用に多用される「Key M」のスロットは、PCI Express x4またはSATAのいずれかのインターフェイスでPCと接続可能です。このため、Key M対応のSSDにもPCI Express x4接続とSATA 6Gbps接続の製品が混在しています。

 ただし、マザーボードに実装されたM.2スロットが必ずしもPCI ExpressとSATAの両方のインターフェイスを利用可能とは限りません。PCI Express x4接続のみをサポートした「Key M」のM.2スロットを実装したマザーボードも少なからずあります。

 また、SATA 6Gbps接続をサポートしたM.2スロットにSATA 6GbpsタイプのSSDを搭載した場合、マザーボード上に実装されているSATAポートの一部が利用できなくなるという、排他仕様を採用しているマザーボードもあります。これは、M.2スロットとSATAポートで1つのSATA 6Gbpsを共用しているためです。

 当然ながら、M.2スロットがサポートするインターフェイスと、搭載するデバイスのインターフェイスが一致していなければ、M.2スロットに差し込んだデバイスを利用することはできません。
●購入前に確認するべきは、Key ID、カード長、インターフェイスの3ポイント
 このように、M.2スロットの利用には「Key ID」、「カード長」、「インターフェイス」の仕様が、スロットとデバイスで一致している必要があります。

 「M.2」はあくまでスロットの規格ですので、単に「M.2対応」というだけで一括りにせず、それがどのようなスロット、あるいはデバイスなのかについて、購入前によく確認しておくことをおすすめします。

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