IntelのLGA1151向けのCPUクーラーにはねじ式とプッシュピン式のCPUクーラーが存在しています。
例えば、CPUボックスに付属するクーラーやIntel純正空冷CPUクーラーである「TS15A」はプッシュピンを採用する一方、サイズの「虎徹 Mark II」やIntel純正CPUクーラーの「BXTS13X」などはねじ止め式のマウンタを採用しています。
プッシュピン式の利点は着脱が容易なところで、CPUソケット周辺の基板に設けられたクーラー固定用のホールに「かえし」部分を差し込み、その状態でピンを押し込むことで固定し、外す際はピンを引き抜くだけです。
一方、ねじ止め式マウンタの場合、専用のバックプレートをマザーボード裏面に配置し、基板表面側からねじ止めをします。固定の際に基板表面側に台座を組むことで着脱しやすくしている製品もありますが、総じて着脱作業の手順が多く、完全に取り外すにはマザーボードをケースから取り外さなければならないこともあります。
着脱作業が容易なプッシュピンですが、樹脂製のかえしで基板にクーラーを固定する都合上、マウンタの強度ではねじ止め式より劣っています。CPUボックスに付属している小型軽量なクーラーで問題になることは少ないですが、PC本体を輸送するような場合、ピンが外れてCPUクーラーがケース内に脱落、最悪の場合他のパーツを破損する可能性もあります。
ねじ止め式は基本的に金属製の部品で構成されているため固定強度が高く、縦置きケースなどに重量級CPUクーラーを組み込むような場合でも、CPU表面にクーラーをしっかり接地することが可能です。なお、ねじ止め式であれば、輸送時にクーラーが脱落するリスクは抑えられますが、重量級クーラーは輸送時に掛かった負荷をCPUに伝えてしまい、最悪の場合CPUを破損するリスクがあるので、輸送時にはCPUクーラーを外すことをおすすめします。
脱着が容易な一方で強度が劣るプッシュピンと、着脱時の作業が多いもののしっかり確実に固定できるねじ止め式。正常に取り付けてさえいればどちらでもCPUクーラーは機能しますが、部屋の模様替えなどでPCを動かした時に思わぬ不具合を生じる心配が無いという点で、ねじ止め式の方がより安心できるマウンタであるといえるでしょう。