パーツの選び方

クリエイターPC向けCPU&GPUの選び方

 今回はクリエイターPC向けのCPUとGPUの選び方についてご紹介します。

用途次第で求められる能力が異なるCPU

 クリエイター向けのPCと一口に言っても、実際に行われる作業はさまざまであり、その内容次第でCPUに求められる能力は変わってきます。

 動画やCG制作でのレンダリング時間や写真編集でのRAW現像などは、CPUのマルチスレッド処理への最適化が進んでおり、これらの実行時間短縮にはコア数の多いCPUが有利です。

 このような用途では、2万円台前半で買えるAMDの6コア12スレッドCPU「Ryzen 5 2600X」をはじめ、AMDのRyzenシリーズがコストパフォーマンスに優れた有力な選択肢となります。性能を追求するのであれば、Intelの8コアCPUであるCore i9-9900Kや、Core X、Ryzen Threadripperなども選択肢に加わるでしょう。

 一方、イラスト制作や画像編集のように、編集作業でのレスポンスを改善したい用途ではシングルスレッド性能も高いCore i5-9400FのようなCPUが魅力的です。6コア以上のCPUを選んでおけばマルチスレッド性能もそれなり以上に備えているので、動画編集などでも良好なパフォーマンスを発揮します。

 頻繁にRAW現像や動画・CGのレンダリングをするのであればマルチスレッド性能の高いCPU、編集作業に時間をかけているのであればシングルスレッド性能の高いCPUを選びましょう。なお、どちらの場合でも4コア以上のCPUを選んでおくのがおすすめです。

多くがGPUによる高速化に対応するクリエイター向けアプリ

 最近のクリエイター向けアプリケーションでは、GPU性能を活用して処理の高速化を実現しています。特に、画像や動画を扱う分野ではGPUの活用が進んでおり、GPUを用いることでプレビュー速度や処理の実行速度に差がついてきます。

 どの程度GPUの高速化による恩恵が得られるのかは各アプリケーションごとに異なりますが、映像編集系のアプリケーションではNVIDIAのCUDAに対応したアプリケーションが多く、ミドルレンジ(GeForce GTX 1050以上)のNVIDIA製GPUを選んでおけば、多くのタイトルでGPU高速化の恩恵を受けることができます。
NVIDIA_CUDA
 なお、クリエイター向けアプリケーションでGPUが処理を実行する際は、ビデオメモリ(VRAM)を利用することになります。高解像度で大容量のデータを扱うのであれば、なるべくメモリ容量の大きいグラフィックカードを選ぶのも重要です。

-パーツの選び方