2019~20年冬シーズンのマザーボードの選び方を、搭載チップセット別に「ミドルレンジ」「ハイエンド」「ゲーミング」の3つ観点からご紹介していきます。今回は「ハイエンド」のご紹介です。
Intel製CPU向け「ハイエンド」マザーボードの選び方
Intel製CPU向けのマザーボードに搭載されているチップセットのうち、ハイエンド向けとして分類したのは「Z370」「Z390」「X299」の3モデルです。
ハイエンドに分類した3つのチップセットは、機能的には非常に似通っているものの、Z370とZ390はメインストリームCPU向けソケット「LGA1151」対応であるのに対し、X299はハイエンドデスクトップ向けの「LGA2066」対応という違いがあります。このため、LGA2066対応CPUを選択する場合、マザーボードのチップセットはX299一択となります。
メインストリーム向けのLGA1151の対応チップセットであるZ370とZ390は、非常に近い機能を備えていますが、より新しいZ390を搭載したマザーボードの方が設計や実装された機能も洗練されているので、これから入手するのであればZ390を選択するべきでしょう。
X299とZ390のどちらを選択するべきなのかを判断する大きな基準は、「10コア以上のCPU」「128GB超のメモリ容量」「クアッドチャンネルメモリの帯域幅」「44~48レーンのCPU内蔵PCI Express」の4要素が必要か否かです。
ひとつでも必要なのであればX299とLGA2066対応CPU、必要でなければZ390とLGA1151対応CPUが、それぞれ有力な選択肢となるでしょう。
なお、LGA2066対応CPUの最新製品である「Cascade Lake-X」を利用する場合、CPU内蔵のPCI Expressレーンをフル活用するには、2019年末にかけて発売された新設計のX299搭載マザーボードが必要ですのでご注意ください。
AMD製CPU向け「ハイエンド」マザーボードの選び方
AMD製CPU向けマザーボードに搭載された主要なチップセットから「ハイエンド」に分類したのは、「X570」「X399」「TRX40」の3モデルです。
ハイエンドに分類した3つのチップセットは、Socket AM4の第3世代Ryzenに対応するX570、第2世代Ryzen Threadripper対応のX399、第3世代Ryzen Threadripper対応のTRX40と言った具合に対応CPUが異なっており、どのCPUを選択するのかによって選ぶべきマザーボードが決まります。
最大16コア32スレッドCPUのRyzen 9 3950Xに対応するX570マザーボードは、多くのユーザーを満足させることの出来る性能と機能を備え、なおかつCPUの発熱なども標準的なので扱いやすいのが魅力です。
一方、ハイエンドデスクトップ向けであるX399とTRX40ですが、互換性が打ち切られたことで既に旧世代CPUしか利用できないX399を今から選択することはおすすめできません。
第3世代Ryzen ThreadripperとTRX40チップセットの組み合わせは、24コアから32コアまでのCPUを利用可能で、今後64コアのRyzen Threadripper 3990Xの登場も予告されています。とにかくCPUのマルチスレッド性能が必要という方や、第3世代Ryzen Threadripperに内蔵された64レーンのPCI Express 4.0を利用したい方は、TRX40搭載マザーボードを選ぶことになるでしょう。