AMDは次世代APU「Ryzen 5000Gシリーズ」を投入予定ですが、同時に法人向けのAPU「Ryzen PRO 5000Gシリーズ」も発表しています。今回は、Ryzen PRO 5000Gシリーズがどのような製品なのか紹介いたします。
Cezanneベースの「Ryzen PRO 5000Gシリーズ」
Ryzen PRO 5000Gシリーズは、Ryzen 5000Gシリーズと同じAPUコア「Cezannne」をベースに採用しつつ、法人向けのセキュリティ機能を搭載し、マイクロソフトの「Secured-core PC」に対応できるようにしたものです。
基本となるAPUコアが「Cezanne」であるため、CPUのアーキテクチャはZen 3で、GPUにはVegaアーキテクチャとなっています。したがって、基本的な機能についてはRyzen 5000Gシリーズと同様です。
Ryzen PRO 5000Gシリーズの製品は6モデルが発表されており、TDP 65W版の「G」系と、TDP 35W版の「GE」系のAPUが、それぞれ3モデルずつラインナップされています。
自作PCユーザーにとって影響のありそうな、Ryzen 5000GとRyzen PRO 5000Gの違いは、アンロック仕様であるか否かで、Ryzen 5000Gはオーバークロックしやすい倍率アンロック仕様ですが、Ryzen PRO 5000Gは全モデル倍率ロック仕様となっています。
また、Ryzen PRO 5000Gシリーズは法人向けの製品であるため、ボックス品として単体販売されない可能性があります。実際、前世代となるRenoirベースのRyzen PRO 4000Gシリーズは単体販売されず、対応マザーボードとのバンドル販売というイレギュラーな形で販売されていました。
自作PCユーザーが単体で入手できるようになるのかは不明ですが、搭載PCを入手する機会はあると思われます。Ryzen PRO 5000Gシリーズを搭載したPCを見かけた際は、Ryzen 5000Gシリーズと同じCezannneベースのAPUを搭載したものとして、自分の要求に見合う性能があるのか検討してみるとよいでしょう。